おおかみこどもの雨と雪

今日から上映ということで映画見てきました。
事前にやってたCMとかからはあまり面白そうな印象を受けなかったけど、

・ニュースで映像表現がすごい
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/098/98249/
・世界34の国と地域で上映http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120618-00000011-eiga-movi
・昨日「サマーウォーズ」がやってた

など、たまたま気になることが続いてたので見に行きました。

“おおかみおとこ”と恋に落ちた大学生のヒロイン・花が、ふたりの間に生まれた“おおかみこども”の姉弟・雨と雪を女手ひとつで育て上げるという内容。

以下ネタバレ有りです。
面白かったです。

1.内容
見に行く前までは、CMで子供のシーンが多かったということもあり、子供の映画という印象を持っていました。ですが、実際は、おおかみおとこと結婚した親の視点から、おおかみと人間の間を揺れ動く子供の成長を描く映画でした。2時間で13年が経ちます。

2.映像
風とか水とか、CGがすごかった。子供が林を駆け抜けるシーンとか、雪を転がるシーンとか、川で溺れそうになるシーンとか、要所要所で見せるような演出がありました。作るのに相当手間がかかってるのだろうな。
プラスして、「背景が動く」という話を聞いていたので、意識していたら確かに他のアニメ映画と違って奥の階層?の絵も動いてました。

3.物語の技法
「対比」とか「隠喩」とか中学校の国語で学んだような物語の表現方法がたくさん見受けられました。

なかでも特に面白いなと思ったのは、子供二人の名前。「雨」(男の子)と「雪」(女の子)。
なぜ、雨と雪なのか?ふたつ考えました。
①雨と雪の日に、二人の子供にとって重要な変化が訪れたから。
雪の日…雨が川に溺れて死にそうになりますが、雪に無事助けられます。この日から雨はおおかみの本能に目覚めます。
雨の日…雪はソウタに自分がおおかみであることを打ち明けます。雨はおおかみとして山で生きていくことを決断します。
②二人のおおかみこどもの生き方に対応。
おおかみこどもとして、将来どのように生きていくか迷う二人。最終的に、雨は「おおかみ」として、雪は「おおかみであることは受け入れつつ人間」として生きることを決めます。
名前を見ると、雨=雨、雪=雨+ヨですから、雨という感じが「おおかみ」、ヨが「にんげん」を意味していると考えれば、名前はまさに二人の生き方を表しているといえます。

名前という点では、「ハナ」(親)も「生まれた時にコスモスが咲いていて、(そのコスモスは植えたものでなく自然のもの)、いつも笑っていてほしいから」というところからハナの強さとかがわかります。

その他「対比」も、
・もともとより人間味の強かった雨は狼へ、野性味の強かった雪は人間へ
・山と都会
・野生と飼育

とか色々なとこでピクピク反応させられました。


見る前バカにしていたというギャップもあったかもだけど、最後まで楽しく見れました。